ベトナム旧正月の習慣
私が来日して6年が経ちます。最初の5年は留学生として九州ですごし、現在は高山で仕事に従事しております。つまり日本にて6回のお正月を過ごしました。しかし、これは西暦の正月ですので、ベトナムのお正月とは違います。中国や韓国、台湾、モンゴル等の国と同じ様にベトナムは旧正月を祝います。私は日本のお正月を経験して日本人の習慣を知りました。本記事ではベトナム人の旧正月を迎える習慣を紹介いたします。
お正月祝いの習慣とは、人間の希望及び夢を含めて、善良な新年のためにされるお祝いです。しかし年月が経ち、祖先が残した複雑で現在の生活に合わない習慣はどんどん除かれてシンプリファイになっています。下記はベトナム旧正月の基本慣習となっております。
(1) ONG TAO(オン タオ)を天へ回帰の見送り
これは正月の近づきを表す最初の活動となります。ベトナムの伝説では、オンタオとは家の台所を見守って家庭の全活動を把握する神です。旧暦の12月23日にオンタオは天に回帰して、担当する家族の1年間の全活動を神様に報告をします。
オンタオの天に回帰することを送別するため、様々な種類のお供えを準備しなければなりません。それらは線香、蝋燭、果物、紙の服、生きている鯉を含みます(後に川に逃がします)。オンタオは鯉に乗って天上へ飛び上がります。そして、各家庭では12月の最後日の午後(旧暦)に(大晦日の前)オンタオの帰りを歓迎します。

(2) 送旧迎新
これは古いものを送り、新しいものを迎え入れるということです。家や勤め先等を掃除し、新しい物、新しい風の場所を取る為、ゴミや使わない物などを捨てます。
大晦日の時間、新年の善良な事を歓迎する為、家族内の喧嘩、子供達の悪戯遊び、悪口や不気味な事を言ったりしない様にし、人々と仲良くし、笑顔で平和な雰囲気を作ります。これは確かに良い習慣です。ベトナムのみらず日本や他国にもこの様な習慣が有るかと思います。

(3) “ネオ”木の植え
玄関両端に5、6mの竹の木を突き刺し、音が出る物を枝に取り付けます。このことの目的は幽霊や鬼等を家に入らない様にするためです。しかし、この習慣は複雑で手間が掛かりますので、現在どんどん無くなりつつあります。

(4) バンツン(ベトナムの笹巻)の作り
バンツンは四角な形をしており、中に柔らかな餅米を包み込んでおり、豊かな生活を表わしている物とベトナム人は考えております。(北ベトナムでは四角の形で南ベトナムでは長く丸い形を作ります)このバンツン作りはかなりの作業です。バンツンの材料はクズウコンの葉や餅米、青豆、豚肉などを含みます。バンツンを巻く時、家族や近所の人など皆と一緒に作るため、古い話や新年の予定などを楽しく喋り合って、とても暖かく楽しい雰囲気になります。


(5) 大晦日のお供え
この習慣は天地に恩返しすることを意味します。礼拝のお供えは:ゆで鶏一匹、果物、製菓、蝋燭2本、陰の紙幣及び線香を含みます。大晦日の12時に、玄関の庭にお供えを揃え置き、家族の主人が線香に火を付けて、天地へ感謝のお礼をして、自分の家族全員が幸せに暮らせますよう祈ります。


(6) 初春天恵の受け取り
大晦日又は旧暦1月1日に、人々は外へ出て、木の枝の若芽を摘んで家に持って帰ります。
家で摘んだ若芽を飾り、新年も若芽のように元気でフレッシュになる様に希望する為です。
しかし、誰もが枝を折り若芽を摘むことは自然に良くないので、この習慣はだんだん少なくなってきています。
(7) 家に初入り、土に初入り
ベトナムでは、大晦日後(12:00以降)にどんな人が最初に訪問してくるかを非常に大切にします。その人の性別、年齢、人格や経済力、又前年内に不吉なことに遭ったかどうかを家庭の今後一年間の状況に思いをはせます。そのために良い人を選択して、家初入りを頼んだりすることもあります。これは良い習慣だと考えているため、殆どの人は頼まれれば断りません。
万一、初入り人が見つからなければ、その家庭の主人(殆ど男)が自分の家に初入りをします。ベトナム人の多くは、初入りの時間帯に前年に喪失や不吉なことに遭った人はなるべく他の家庭に訪問しない方が良いと考えています。
(8) お正月の家庭訪問
お正月の時、お互いに良いこと、普段は健康、金、幸福、成功があることをよく祝賀します。当然、相手によって祝うことが違います。例えば、お年寄りには健康や長寿命であり、経営する人には儲けることであり、又子供達には良い子になれ勉強もよく出来る様にと祈ります。
更に、3日間お正月の間、家の中のゴミを掃き出さない習慣もあります。掃き出すと家庭の“福”も一緒に逃げて行ってしまうからです。

(9) お年玉
お年寄り及び子供達にお祝いと共に赤袋に入れたお年玉をあげます。ラッキマネーという意味で、金額に関係なく奇麗で新しい紙幣を入れたほうがよいとされています。

私はベトナムの1年間のお祝い事の中で最も正月を楽しみにしていました。学校が休みで、新しい服を着れて、友達と遊んだりした正月は、現在日本で生活している私にとってはとても懐かしく感じられます。
“寂しく感じる”ことは現在の年齢ではお年玉を貰えなくなり、あげる方に成ってしまったことです^ ^。
D・C・N