親切とは社会の中でとても大切だと思う。
親切、思いやりがあってこそ生きていけると思っている人は多いのではないだろうか。その反面、自分が親切だと思ってした事が相手にとって不快に思われてしまう事がある。親切は簡単のようで非常に難しい。
今から10年ほど前、友人3人とバイクでツーリングに行った時の事。
彦根城の桜が見たいと何気に言った一言で、翌日見に行く事になった。
朝6時に集合。
ワクワクしながら出発したが、さすがに春先で風が冷たく楽しいはずのツーリングが憂うつになってきた。だが、何とか目的地に到着。
国宝のお城と満開の桜を見る事が出来、楽しさも戻ってきたがそれも束の間、帰りもあの寒さと戦うのかと思うとゾッとした。それに追い討ちをかけるかのように雲行きが怪しくなってきて、とうとう雨が降り出してきた。
家路を急ごうとアクセルを回すのだが、指先がなかなか言うことを利かない。激しい雨と寒さで体力も限界。とにかく休憩したいと友人に合図をしたがコンビ二も無く民家の軒先で止まることにした。
そんな様子を見てか、家の方が部屋から出てきて色々と話をした。
私が寒くて体力の限界だという事が一目で分かったんだろう。おっきな湯のみに温かいお茶を入れて持ってきてくれた。
私はそのおっきな湯のみを震える手で持ち、お茶をすすりながら自然と涙があふれてきた。
お茶の温かさよりも人の温かさで涙が止まらなくなり感謝の気持ちで一杯になった。
あれから10年。何のお礼もしていませんが今でも元気でいらっしゃる事を祈る毎日です。
Y・T